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6月15日(土)講座⑫グッドミーティング(講師|青木将幸 青木将幸ファシリテーター事務所代表)

2019年07月11日

アートコミュニケーターにとって、一番大切な活動は「自主活動」です。「あんなことしてみたい!」「こんなことしてみたい!」というアイディアの種を、みんなで一緒に実現していきます。

で、複数の人で活動をする上で避けて通れないのが「会議」。なんとなく、苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。そこで、そんな会議を上手にこなそう!という事で、その名も「グッドミーティング(=良い会議)」という講座を行ないました。

教えてくれるのは、青木将幸さん。青木さんは「ファシリテーション」という方法を使い、あちこちの会議をよりよくするためのアドバイスをしています。キャッチコピーは「国際会議から家族会議まで」。軽妙なしゃべり口で講義が始まります。

最初に学んだのは、「合意」の作り方。まず、コミュニケーターに白紙が配られます。紙を半分に区切り、それぞれが思う「良い会議」と「悪い会議」のイメージを書きだしていきます。

思い思いの意見が書けたら、3人1組でペアを作ります。お互いが思う「良い会議」「悪い会議」を紹介していきます。ここで重要なのは、集まった3人が全員賛成した項目に花まるをつける事。みんなの賛同が得られたものを「良い会議」「悪い会議」の条件としていきます。こうする事で、「個人の意見」を集団の「合意」にしていきます。

更に各ペアの意見を全員の前で書き出していって、より大きな集団での合意を作っていきます。「良い会議」の条件として「発言しやすい雰囲気がある」「会議の目的がわかりやすい」、「悪い会議」の条件として「時間が長い」「出た意見にケチをつけたり必ず欠点をあげたり人がいる」というようなものが書きだされていきます。

講義全体を通して印象的だったのは、全員の意見が反映される仕掛けがされていた事です。「良い会議」「悪い会議」についての話でも、まず個人の考えを紙に書き、それからそれを順番に発表していく事で、全員に発表の機会が設けられていました。この、みんなの意見を活かすための会議方法が「いいねぇ会議」です。

この「いいねぇ会議」、その名の通り、誰かが言った提案に必ず「いいねぇ」と返すのがルールです。ポイントは、「Yes,and」。「いいねぇ」と言った後に、プラスαで自分なりの提案を加えていきます。

こうする事で、「間違えた発言を言うのが怖い」「的外れの意見を言ったらはずかしい」という恐怖心が無くなるのと同時に、「いいねぇ」が連鎖して、たくさんのアイディアが膨らみます。

お昼ごはんを食べた後は、実際にみんなで「会議」をしてみました。ここで取られたのが、「MM法」という手法です。「MM法」とは、「みんな(M)で持ち寄る(M)法)」。意外と日本語です。

ひとり、ひとつの議題を紙に書き、4人1組になります。4人それぞれに10分ずつ与えられ、その10分間はその人が持ち寄った議題についてのみ、話をします。

議題は、「缶バッジを作りたい」「アートコミュニケーターの愛称を作りたい」というものから、「アートは人生にとって役立つか!!?」というものまで、さまざま。一応、会議の「お稽古」のはずなのですが、本当に議論が盛り上がっていきます。

全員の議題が話された所で、青木さんから講義が締められます。最後にやった会議は、午前中にあった「良い会議」の条件を満たしていたのか、改めて確認されました。

講義の中では何度も受講生同士の意見交換の場面がありましたが、印象的だったのは、ただ単に全員の意見が並ぶだけではなく、話をする事でそれがどんどん膨らんでいった事でした。「会議」というと、人によっては堅苦しさや億劫さを感じることもあるかもしれません。でも、そのやり方を少し変えるだけで、その効果が劇的に変わることが実感できました。これから本格化するアートコミュニケーターの自主活動も、会議の積み重ねです。良い結果を生むための良い会議を作り出すコツを学んだ講座でした。

(アートコミュニケーション事業担当 齋藤)

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