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12月8日(土) 講座⑦モノが結ぶコミュニケーションの場をつくる

2018年12月08日

7回目の講座は、
ミュージアムエデュケーションプランナーの
大月ヒロ子さんにお越しいただきました。

大月さんは全国各地を飛び回り、
美術館や博物館などで展覧会の監修や
教育プログラムの開発などの活動をおこないながら、
現在は岡山県倉敷市の玉島を拠点に
「クリエイティブリユース」という活動されています。

クリエイティブリユースは、
工場や店舗などから出される廃材を
コミュニティや地域づくりに活用する取り組みです。

今回の講座は「モノが結ぶコミュニケーションの場をつくる」と題して、
玉島での「クリエイティブリユース」の事例についてお伺いしました。

また、大月さんがファシリテーターとして参加してくださる、
実践活動②「はじまる つながる たんけんたい~人と道具に出会う旅~」に向けて、
施設内を歩きまわり、そこで働く人たちの仕事道具を見せていただきながら
その道具にまつわるエピソードを聞いてまわりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(アートコミュニケーション事業担当 渡部)

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12月1日(土)講座⑥ワークショップでつくる学びの場(講師|舘野泰一 立教大学経営学部助教)

2018年12月01日

この日の講座は、
ワークショップをつくるための基礎的な知識や方法論を学ぶということで、
立教大学より舘野泰一さんをお招きしました。
舘野さんは、大学時代は教育を専門に、
大人がどう学ぶのかについて研究されていました。
そして現在は立教大学経営学部にて、
大人が学び、新たなものの見方を得る為には
どのような場のデザインが必要なのかについて、実践的に研究されています。
立教大学では「Business Leadership Program」と題して
企業とコラボレーションしながら、リーダーシップに関するプログラムを展開されています。

今回の講座に臨むにあたり、アートコミュニケーターのみんなは
事前課題に取り組んでいます。
課題は舘野さんの著書
「アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ」から
出されました。

今日一日をかけて、主にこの2点について学んでいきます。
〇ワークショップデザインの基礎
〇ワークショップの伝え方

 

まずは、「遊び」と「学び」という言葉について考えるところからスタートです!

それぞれが「学ぶ」から連想することと、
「遊び」から連想することを考え、それぞれグループで共有しました。

 

 

ワークショップと一言で言っても、
子供向けや製品開発、鑑賞に関するものなど様々なものがあります。
舘野さんからは、どのワークショップにも共通している設計のポイントは、
「遊び」と「学び」の要素が両立し、上手にブレンドされていることだ
というお話がありました。

 

次に、事前課題を使ったワークを行いました。

【事前課題1】は、
3つのワークショップの事例から、1つの資料について読み込み、
当日「この資料を読んでいない人」に対して、
口頭で(5分以内を目安)ワークショップの内容を説明できるようにしておく
というものでした。

<ポイント>
・ワークショップの基本構造とはどのようなものだろうか?
・ワークショップを設計する上で学びになったポイントはどこか?
・このワークショップでは「どんな人に、どのような体験をしてもらい、どのような学びを得てもらいたい」と考えているか。そのために「どのようなデザインの工夫」をおこなっているか?

この3つのポイントについて、
それぞれが担当しているワークショップについて自分なりに解説し、
他のメンバーは、それぞれのワークショップがもつ共通点について
考えながら聞くというワークを行いました。

 

 

 

 

その後、一見全然ちがう3つのワークショップに共通する設計のポイントについて、
グループごとに模造紙に整理しました。

 

 

 

ワークの後は、舘野さんからの解説です。

3つのワークショップに共通する5つのステップや、
学びと遊びの構造、
ワークショップでの学びがその後の日常に残っていくような工夫を考えること、
また、体験と振り返りの重要性について分かりやすく解説していただきました。

午後からは実際にワークショップを体験し、さらに理解を深めていきます!

 


 

3つの課題の中のひとつ
【カードdeトーク いるかも !? こんな社会人】を実際に行ってみました。
11枚のカードの中から「この人とは働きたくない人」、
また 「一緒に働いてもいい人」をそれぞれ直感で3人選び、
選んだ理由をグループ内でシェアします。

このワークを通じて、参加者は
自分の仕事に対する価値観について考えていきます。

 

 

「せーの」で一斉にカードを指さすたびに、笑い声が響きます。

カードの中の人物像を、同僚と捉えるか、
部下と捉えるか、はたまた上司なのかで選び方が変わります。
また、アートコミュニケーターの中には学生もいれば社会人や主婦の方もいます。
それぞれの立場や職種によっても差があり、
他の人の価値観を知る面白さに大変盛り上がりました。
また、今まで気が付かなかった自分の仕事への価値観に
ハッとした人も多かったようです。

 

 

その後、このワークショップがどのような狙いのもとつくられたのか、
どのような企画会議からこのワークが生まれたのか、
WSを作るうえで、重要なポイントを事例を交えながら解説いただきました。

 

その後は、【事前課題2】について取り組みました。

事前課題2の内容は、
「あなたがもしワークショップをデザインするとしたら
どのようなものを作りたいと思いますか?」
というものでした。

グループ内で各々が考えてきた内容を共有し、
今日学んだことを活かすとそれぞれのプランは
どう発展できるのかを話し合いました。

 

その後は、ワークショップ設計の復習として、
アイスブレイク、メインワーク、振り返りのポイントについて
まとめていただきました。

その中で、ワークショップ上達のポイントは、
とにかく自分たちで試してみることだとアドバイスをいただきました。
なんとなくWSの構成ができたら、
何回も何回もやってみることで学びと遊びのバランスを考え、
少しずつワークショップを完成させていくようにすると良いとお話がありました。

 

続いては、ワークショッププログラムが完成した後のことについても
お話いただきました。
実際にプログラムを行うときのファシリテーションのコツと
完成したワークショップを実施する為に
企画の伝え方について学びました。

そして最後に今日学んだ全体の内容についてグループごとで振り返り、
アートコミュニケーターたちから舘野さんへの質疑応答で
今日1日の講座を終えました。

今日の講座は、今後のアートコミュニケーターたちの活動に直結する
大切なポイントが詰まったお話ばかりでした。

これから日常のいろいろなことが
ワークショップの素材に見えてきたり、
日々の色々な場面で今日の講座の内容を思い出すのではないかと思います。

今日の講座がどう活かされるのか、
今後の活動が楽しみです!

 

(アートコミュニケーション事業担当 渡部)

 

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