教文オペラ わたしの鑑賞「ゼロ~さんぽ」
教文オペラ オペラ公演「真説カチカチ山」「ロングクリスマスディナー」
2019 12/14
|ー2019 12/15
UP:2020/05/09
今年やっとオペラデビューが叶いました。この年齢(?)でです。
ちょっぴり「敷居の高い芸術作品」という、そんなイメージがありませんか?
だからこそ、「そこを乗り越えたいな。」と、長いこと興味を持ち続けていたわけです。
そして遂に、「トゥーランドット」で衝撃的なデビューを果たしました。どきどきしながら席に着くと、なにやら字幕が出るらしい事に気づき、見知らぬ隣席の方に思わず確認してしまいました。 もちろん作品からは大きい感動を貰い一人嚙みしめながら劇場を後にしました。
少し日を空けて、次は教文オペラ「道化師」です。舞台に近い席に座った私たちは、劇中の観客さながらに歌声も表情も楽しむ事ができました。
続いては同じく教文オペラ 「ロングクリスマスディナー」と「真説 カチカチ山」の二作品です。
今年三度目にして、「日本語オペラ」に出合いました。
0(ゼロ)から、3へのきっかけは、SCRATSメンバーの私達が関わった「アイウエ~オペラ」です。この企画は、教文オペラのレクチャーコンサートで、オペラの「初心者さん」も「常連メンバーさん」も、作品の知識を少しずつ深めたり、ピアノ伴奏で生オペラを聞いたりと贅沢で楽しい内容のものでした。
生演奏に載せて美しい歌声が聴こえ始めます。今回の指揮者でいらっしゃる河本洋一さんから、「日本語の言葉として聞こえるか」「感情を込めなくても言葉として伝えることが大切」と伺っていました。
一つ目の作品「ロングクリスマスディナー」では、ひとつの食卓テーブルを囲んで、その家族の90年の歴史を垣間見るというものです。その場にない情景を言葉で表現する内容もあります。私自身が、慣れていないせいもあり、オケの音と言葉が被さって、時おり聞こえづらいと感じる場面がありました。しかし、次の「真説 カチカチ山」は、基本的なストーリーが頭に入っていたせいか人物の動きに合わせて言葉がすっと、入ってきた気がします。鑑賞側としては、言葉の意味が心に届いて初めて「日本語オペラ」を作品として楽しめる領域に踏み込めるのだろうなと感じました。
ドイツ語やイタリア語など外国語は、時々字幕で翻訳を確認しますが、音楽と一緒に耳に入ってくる言葉は、わたしにとって意味というより音の響きです。演奏と一体化しています。また、それが心地よくもあります。
「日本語オペラ」としての作品はまだ少ないようですが、鍛錬されたオペラ歌手の発音を聞き逃さず、日本の言葉で理解し、作品をより深く鑑賞するという楽しみ方を見つけたように思います。
また、公演後に一緒に鑑賞した方々と作品について振返る事もおまけの楽しみ方です。
わたしにとっては誰とどの劇場へ足を運ぶかも重要なポイントになります。
最後に、日頃から一緒にSCARTSで活動している葛西さんのオペラ歌手バージョンが、素敵過ぎたことをご報告します。