#触って嗅いで大喜利
#HOTEL KAWASHIMA
ほぼ日曜日
アート
2021 09/17
|ー2021 11/07
UP:2022/03/10
「ハッシュタグ大喜利」をご存じだろうか。ハッシュタグ「#」を用いて主にSNS上で行われる大喜利のことであり、この仕掛け人が芸人・川島明である。
川島はインスタグラムで芸人などの写真に、形容するハッシュタグをつけた投稿を続けており、妙を得た表現で人気となっている。その川島が構想に約一年をかけて企画した体験型展覧会「#ホテルカワシマ」が渋谷パルコにて催された。
展示はホテルの室内を模した空間で行われた。作品には「#○○○」といった名札が付けられており、鑑賞者はその全てに触りながら楽しむことができる。例えば、置かれていたデスクの引き出しには「#二日酔いの時の顔」と書かれてあった。取っ手を引いて覗くと、現れたのは下ぶくれした自分の顔。中には鏡が敷かれていた。
ハッシュタグ大喜利にはこれまでの大喜利と大きな違いがある。従来の大喜利は、テンポ良く発話で答えることが一般的であるのに対し、ハッシュタグ大喜利にはその必要が無い。大喜利はテンポと無関係に文字化されても面白いことを世に知らしめた。
そのハッシュタグ大喜利を「#ホテルカワシマ」は、私たちが手で触れるものをお題とし、二次元から三次元に発展させた。
展示の中に「#大御所俳優の香り」と書かれた石けん箱が置いてあった。開けて嗅いでみると、ふむ、確かにそんな気がするのだ。五感を使って大喜利を楽しめるようになったことは、新たな笑いの領地を開拓したといえるだろう。