音楽会の背景にあるお話

教文オペラ ファミリープログラム ママと子どものはじめての音楽会 ―こんにちは!オペラ―

札幌市教育文化会館
オペラ

2019 11/14

UP:2019/11/25

公演当日は、札幌に初積雪をもたらした大寒波の初日。

紅葉した葉っぱが舞う中、会場に着くと、抱っこ紐姿のお母さんや子どもと手をつないだお母さんたちがずらっと並び、開場を待っていました。

 

この会は、子育て真っ最中のママやパパと子どものための企画であり、そのため、子どもが泣いても、おしゃべりしても、動き回っても大丈夫です(チラシより)。

 

会場は、0歳児、1歳児連れの方が多いようでした。

その姿を見ながら、自分の0歳育児時代を振り返りました…動きの予測がつかない子どもから目を離せず、自分の時間どころか、ほっとひと息つく間も取りにくい。歩く前のハイハイ期だから、外遊びも場所を選んでしまう。さらに、子ども向けイベントは、小学生や3歳4歳以上の未就学児を対象としたものが多く、赤ちゃん向けは見つけにくい。

そのような閉塞感のあるちょっとしんどかった時期だったなぁ、と。

 

 

「オペラの普及だけでなく、お母さんたちの外出する機会を創りたかった」と、企画者の井出さんは、お話を聞かせてくださいました。

たしかに、子どもと二人で家の中で終日閉じこもりがちな時期に、安心して出かけられる場所で、子どもが喜ぶ歌を聞け、自分が息抜きできる外出機会があるのはありがたいことです。

続いて、「子どもたちにとってこの日がオペラデビューなの」と、愛おしそうに話された点も印象に残っています。

 

実は、私もオペラデビューしたての初心者です。今まで、オペラは難しそうで敷居が高いと敬遠してきました。しかし、そんなに気負わずに歌を楽しんだら良いのかも、とちょっと肩の力が抜けたように思います。

 

 

アートコミュニケーターは、市民とアートをつなぐ活動をおこないます。

今回、オペラを通して文化芸術の普及活動にご尽力される方のお話を伺い、会に参加したことで、その思いを受け取り、つなげたくなりました。そのため、まずはオペラの魅力を伝える前段階として、音楽会を通して札幌のママを応援してくださっている背景をご紹介させていただきました。

 

今回の会場は教育文化会館でしたが、12月24日(火)には、kitara大ホールで、0歳児から未就学児向けの「ハッピークリスマス」が開催されるそうです。

赤ちゃんがオペラ歌手の方たちと鈴やガラガラでコラボをして、子どもたちが足を踏み鳴らして踊っている様子を見ながら、彼らが歌好きな子どもたちに成長し、札幌が歌声であふれている将来が目に浮かんでくるような会でした。

三宅美緒

レポート

三宅美緒