私だけの太陽の色

こども+アール・ブリュット 北海道みらい作品展

札幌市民ギャラリー
その他

2019 08/16

2019 08/18

UP:2019/08/17

子どもの創作物にはドキッとさせられることが多い。大人には無い発想、無い素直さがあったりするから鑑賞するたびに実に驚かされる。彼らの面白いアイディアをヒントに、(大人の)私も何かクリエイティブなことができないものかしら?そうして若い感覚を保てたりしないものかしら?という下心から、私は子どもたちの作品を積極的に見に出掛ける。
パブロ・ピカソは、「子どもは誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ」という言葉を遺しているが、子どもによるアートには、大人顔負けの、芸術センスに長けた作品を目にすることが間々ある。今回も、賞を受賞した作品以外にも目を見張る作品がたくさんあり、専門的な美術教育を受けていない人たちによるアール・ブリュット(生の芸術)はアイデンティティの具現化であるように感じる。
近年声高に“多様性”が叫ばれているが、アメリカでは30年以上前からダイバーシティーは一般に浸透していた。にも関わらず、差別はずっとあり続ける。アジアから移り住んだばかりの黄色い肌の少女が、一日でも早く異国の地に溶け込もうとして「赤い太陽」を描くのを止めてる「黄色い太陽」を描くようにしたのを私は知っている。でも、このたびの作品展では、紙いっぱいに太陽を描き、私を笑顔にさせてくれた子がいる。アートの世界では、自分の好きな色、好きな形の『こころのおひさま』を自由に描いていいのである。

 

「こども+アール・ブリュット 北海道みらい作品展」
令和元年8月16日~18日
札幌市民ギャラリー第3展示室

 

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