アートと音楽の融合!爽秋の野外ライブ
DOMINANT FESTA 2019
2019 09/08
UP:2020/04/24
インディーズバンドのライブでこれほど様々な芸術的エッセンスを網羅したステージが観られるのは他に無いかもしれない。2019年9月に札幌芸術の森で開催された「DOMINANT FESTA 2019」は、札幌で活動を続けるバンド・DOMINANT(ドミナント)の結成10周年を記念したお祭りイベントだが、そのメインとなるライブは“インディーズバンドのライブ”と一言では片付けられない魅力があった。
他所では聴いたことがないオリジナリティ溢れる曲の数々に「こんな音楽があるのか」と新鮮な驚きを感じる。中でも「交錯作用」という曲は、声楽を学んでいたボーカルだからこそ表現できたであろうユニークな曲だ。オペラのようなフレーズでクライマックスを迎えるが、普段ライブハウスで演奏しているとは思えないくらいの迫力で広い野外ステージを圧倒した。
中盤ではダイナミックに描かれた巨大な風景画が2点登場し、音楽を聴きながら絵画も楽しめた。「アラブに舞う」という曲ではエスニックなサウンドと歌はもちろん、アラビアの夜を描いた巨大絵画の前で剣を持って踊る様子も観ることができ、まるでショーを観ているようで贅沢な気分になった。
他にも打楽器・ジャンベのイントロを聴くだけでアフリカの大地が目に浮かぶ「LIVE OUT IN AFRICA」のように、良い意味で“ロックバンド”らしからぬ曲があり、どのような楽曲にも柔軟に取り込むことができる対応力に舌を巻いた。
バンドが持つ幅広い表現力はどこから来るのか? 普段からの練習量はもちろん、普段の生活や旅から得るインスピレーション、そして音楽が大好きだという彼らの強い気持ちが根底にあるのだろう。だが何よりも、彼らを支えるファンとの繋がりが大きいのかもしれない。アート性の高いライブの中で、ファンとのコール&レスポンスが何よりも楽しそうに見えたのだ。