New Pointへの誘い

New Point vol.18

さいとうGallery
アート

2021 01/12

2021 01/17

UP:2021/03/13

毎年楽しみにしている展覧会がある。さいとうギャラリーでの1月開催が恒例となった「New Point展」だ。毎年楽しみ!と思えるようになるまでは、お付き合いで足を運んでいた。同僚だった女性に、出展しているのでよかったら来てねと言われ、一度くらいは行っておかないと職場の話題に入れず困るかも、と考えたのがきっかけだ。それまで著名な展覧会に行くことはあっても、画廊やギャラリーは気後れしてしまい、外から眺めて見るくらいしかできなかった。初回はなかなか扉を開けられず、エレベータホールでウロウロしてしまったのを覚えている。何らアートについての知識のない自分は、何をどう見たらいいのだろう。きっと感想を求められるに違いない。

ドキドキしながら同僚の作品を探し、三分で退室した感じだった。すると翌年もまたお声がかかり、毎年開催案内が郵送されて来るようになった。記帳をすると次も誘ってもらえることを、私はこのグループ展に教わった。アーティストにはセルフプロデュース力が必要だけれど、それ以上にマメで協力的であることも大切だ。芳名帳をチェックし宛名書きを分担するだけでなく、会場当番という接客の仕事もある。毎回切手を貼って気持ちの込もった案内を何百通も出している彼らの努力と熱意には敬服する。

2004年から続いているこのグループ展は、絵画、彫刻、版画、染色等ジャンルを超えた道内作家たちが誘い合って創出する、新しい出会いの接点、新しい展開の地点(ニューポイント)だ。長年出品している人もいれば数年に一度の人もいて、一回きりという作家もいる。ベテランから新人まで、めいめいのテーマでの作品が集まるのが刺激的だ。鑑賞者は、好みのアートに巡り合えたり、モチーフの真意が見えてきたり、新たな視点(new point of view)にハッとさせられる。ここで、何かの発見があればもう立派な鑑賞者だ。

丹精込めて制作したものを発表する場があり、切磋琢磨しあう仲間がいる元同僚が長らく羨ましかったが、私にもアートコミュニケーターという仲間ができた奇跡に感謝したい。そして自らフォローするようになった今も、New Point展の新春便りが届くことを期待してしまう。いつどんな時も素敵な新境地に導いてくれるアート展に、エール!

ikki27

レポート

ikki27