爆音で夢追いかける…

PLAZA FESTIVAL 2020 札幌爆音映画祭『ラ・ラ・ランド』

札幌市民交流プラザ3Fクリエイティブスタジオ
映画

2020 10/03

UP:2020/11/16

題名は覚えている。でも劇場では観ていない。初めて観る作品かも…。
と思ったのも束の間、ブッブー! ブッブー! クラクションが鳴り響くと「わぁ~、これかー」。久し振りに観る大スクリーン。
写し出された、何人ものカップル、いくつもの夢物語、いろんな声が聞こえてくる。
爆音で思い切り歌い踊る若者たち、一方でささやかれるつぶやき声も拾い上げる。
大きくて繊細な音で始まった。
始めの曲で、二回目に観る映画だと気づいた私は、前にみた場面をなぞりながら物語に入りこんでいった。
並んで夢を追いかけていたのに、少しずつ歯車がずれていくふたり。でも、その別れが、それぞれ自分の道へと前進させた。そして、ラスト近くのシーンでは、セブが夢叶えて出した店の名前が、「セブス」・・・。
大女優ミアの視線が止まった。見つけたプレートの向こう側にあの頃の会話が聴こえるようで、私はまたきゅんとなった。

欲しいものを手に入れるまでの長い時間、なりたい自分を妄想する。
その先の世界が無限大に広がっている。
やりたい事をやりきれる人は少ないけれど「好きなことをやって生きていく」という幸福感が、心に響く。
向う先は、人それぞれ違うとしても、人生のどこかで「やりたい事をやってみた」。そんな経験を刻めたらいいなぁ。いや、刻んで欲しいなぁ。そう感じさせる作品だった。

「夢追い人」か、いい言葉。
この同じ日、劇場の下では、魅力溢れる作家さん達の手掛けたマルシェが開かれていた。
なんだか、私も「夢追い人」を応援したい気分になって、会場をグルグル回って楽しんだ。
結局、最初に気になって足を止めた作品「本をモチーフにしたネックレス」を買った。
これからの季節にセーターの上からお気に入りのネックレス、これも小さな幸福感に違いない。

J.kashiwabara

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J.kashiwabara