大劇場のパノラマに描かれたギターデュオの音色

hitaru 夜のひととき~ギターデュオで奏でる初夏の夕べ~

札幌文化芸術劇場 hitaru
音楽

2019 06/14

UP:2019/07/31

大劇場に一歩足を踏み入れると空気 が一変した。迫力ある非日常の空間に身を置き開演までの時間を待つ。既に気持ちが高鳴る。いよいよ19時、札幌の街はサンセットタイム。沈む夕陽と共にギターデュオの演奏が幕開けした。
プログラムが進行していくうちに二人の奏でる音色が情景となって脳裏に浮かび上がり映像として見えた。初めての経験に驚きを隠せず、ジャズとクラシックのトップギタリストの演奏に何度も息を呑んだ。
血が騒ぐ旋律、穏やかなハーモニー、哀愁を帯びた音色、喜び溢れるリズム。ドラマティックに展開される曲はそれぞれが魂と血肉ある生き物のように躍動し、その世界に私たちを引き込んでいく。
気づけばもう繊細で緻密なギターの音色に浸っていた。正に大劇場hitaruを五感で体感していた。
今宵、渡辺香津美と村治佳織の生サウンドが私の細胞深くまで浸透し、ライブの余韻は深い眠りにまで誘ってくれた。こうしてスペシャルな一日の幕は閉じられた。

Maki Tanaka

レポート

Maki Tanaka