「太陽の森 ディマシオ美術館」を訪れて

太陽の森 ディマシオ美術館

太陽の森 ディマシオ美術館
アート絵画

2019 11/04

UP:2021/03/28

先日(といっても1年以上前なのだが)私が、北海道新冠町にある太陽の森ディマシオ美術館を訪れたときの話をしたい。ディマシオ美術館は、フランス人画家のジェラール・ディマシオの作品を専門に展示しており、旧太陽小学校を改装して設立された。

ディマシオの作品は極めて精巧に描かれた油絵であり、大きな画面に描写された、どこかの古い遺跡を思わせる独特の作風が、見るものに強い印象を与える。具体的な作品は、美術館HPなどでご確認いただきたいが、ディマシオが描いているのは、未来における過去のイメージ、つまり、2万年後の人間になったつもりで1万年後の風景なのだ。

私は絵画から、とても長く、ゆっくりとした時間の流れを感じた。作品の中の人物が何千、何万年もの間、描かれている世界で過ごしてきたかのように、あるいは描かれている世界の中では何も変化がなくただゆっくりと時間が過ぎていくかのように感じたのだ。ディマシオが作品で何を表現したいのかはわからないが、作者も何か明確な考えを伝えたいわけではないのではないか。実際、ディマシオの作品には題名がなく、見る者の「個性と想像力」によって自由に受け取れるようになっている。個人的にも、作品の前で没入し、見たままを受け取り、自由に想像を爆発させてみることをお勧めする。

ディマシオ美術館のほかの魅力もお伝えしたい。先ほどディマシオ専門の美術館と書いたが、正確には違う。ルネ・ラリックや河島真規子らの作品も展示されており、庭園には彫刻がいくつも並ぶ。そして何より美術館自体の持つ魅力が大きい。太陽の森の豊かな自然、そして小学校を改装して作られた美術館のもつ、どこかあたたかな雰囲気が来る者の心を癒すのである。

道中の景色も楽しみながら、ぜひ美術館に足を運び、美術館とディマシオの作品の魅力を味わってみていただきたい。

ホームページは以下である。https://dimaccio-museum.jp/

村松英一郎

レポート

村松英一郎